もう1つの可能性

人生のおもしろみを提案するブログ。

Wantedlyが今後いちばん苦労することになるのは、たぶん採用だと思う。だって、「カッコ良さ」以外にベンチャーに入社する理由なんてないんだから。

Wantedlyの代表、仲暁子さん。

 

名前が同じなので、この方については以前から認識していた。
さらに言うと、2年前ぐらいに屋形船でご一緒しお話する機会があったのだけど、後でFB友達申請送ったけど承認されなくて悲しかったこともあり、とても認識していた。( ´・ω・`)ショボーン

 

Wantedlyはテクノロジーを駆使したベンチャー企業だ。
ソーシャルを活用した採用媒体という意味では
ベンチャー企業の人事をやっている人間なら誰でも知っている

 

今回、DMCAという方法で
Wantedlyを批判する記事をネット上から抹消し

(今は見れるけど一時期は検索結果にも出てこなかった)
(彼らいわく著作権違反の写真を使用したから、という理由になっているけど)

 

かなり話題になっている昨今。
(「Wantedly」と打つと検索予測で「Wantedly 退会」と出てきたり…)

 

今回のキモは、ズバリ言うと
「意図的」というのは、ある意味「バカ」よりよっぽどタチが悪い
ということではないだろうか。

 

個人的な感覚だけど
世の中というのは、「バカ」に対しては割と許容がある。そんなに怒らない。
でも「意図的」に対しては、拒否感が強い。とても怒る。


ちなみに最近のWantedlyの自社採用を見てみると
「事業サイドと共にWantedlyの成長を支える法務専任者Wanted!」という募集が出ている。
意味深だ…!

 

広報的にも法務的にもハードだと思うけど、
長期的に見てWantedlyの仲暁子さんが今後いちばん苦労することになるのは、たぶん採用だと思う
Wantedlyの経営者をやり続けるのであれば、という前提だけど苦笑)

 

今回、抹消された記事には「やりがい搾取」というワードがあったけど

実際の実際の実際のところ、言葉を選ばず言えば、

ベンチャーのほとんどは、何かしらそういう部分があると思う。

 

きちんとタイムカード押して、残業時間をカウントして、残業代を払って、45時間という数字を気にしているベンチャーなんてほとんど見たことない。
退職金があるベンチャーも聞いたことない。

 

そんなの気にしていたらやってられない状況だったりするのだろうし
そんなの気にしていたらやってられないビジネスモデルだったりするのだろう。

 

でもその代わりに、経験なりチャンスなり、
得られるものがあると思うから人はベンチャーに飛び込んでいくわけだ。

 

ある優秀な人材をめぐって
ベンチャーが大手企業と採用バッティングしたら、
待遇面で勝てることは、ほぼない。

そうすると、何で勝負するのか。

 

カッコよさだ。

 

 

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ベンチャーの採用は、カッコ良さを集めてくる作業ですよ

 

 

挑戦する自分、
経営者の近くにいる自分、
裁量権を持つ自分、

 

そんなカッコいい自分になれる場所がここですよ。
それを伝える。

 

あの手この手で、それを伝える。

 

大手企業から転職してきた先輩を会わせてみたり
社長のビジョンを語ってみたり
「幹部候補」としての期待を伝えたり。

 


「やりがい搾取」という単語は

悪意を感じるのでわざわざ使いたいとは思わないけれど

人が「カッコよさ」を求めてベンチャーに入社するのは間違いない。


しかし、今回Wantedlyがやらかしてしまったことは残念ながら
最高にカッコ悪いことだった。

 

売上が下がったとか
新サービスがユーザー集まらなくて撤退したとか
借入金で社員に2倍の給料払ったら倒産したとか
そういうことより断然カッコ悪い。

 

ここまで火がついているのも
ネットの可能性を広げようという事業内容の会社が
逆にネットの可能性を狭めるようなことをやってしまったからだ。

(ミッションどこいった!)

 

自社に都合の悪い記事を、グーグルとツイッターに頼んで消してもらう。
それができてしまうというのは、自由溢れるネットの可能性を狭める行為ととられてもおかしくない。

 

これはもう、完全に美しくない。
カッコ悪いベンチャーになんて、行く意味がない。

 

これからしばらくは
もし「Wantedlyに入社する」と言ったりしたら
近い業界の人なら必ず「あのDMCAの?」と言われる。絶対言われる。

もう、脳内予測変換が完全にできあがってしまっている。

 

そんな後ろ指さされるような思いまでして行く意味があるだろうか。

 

深刻な話、
特にエンジニアの採用は厳しくなるだろう。

 

私の個人的な観点ではあるけれど

色々な職種の中でも、特にエンジニアは「フェアかどうか」「美しいかどうか」という視点が強いように思う。

 

右手に技術、左手に美学。
ということを誰かが言っていたのだけど
それぐらい、「心を失わずに技術を高める」ということに熱い人が多い。

 

私が昔付き合っていたエンジニアの彼は、
「世界を底上げしたい」と真面目に言っていたし、自分は確実にその一端を担っていると信じているようだった。
心のない技術には、意味がない。

 

世界を底上げできるのは、世界がひらかれているからであって
世界を閉じようとする行為は、世界の底上げを阻止する行為だ。

 

この売り手市場、
エンジニアでいえば超売り手市場において
このカッコ悪いニュースは致命的だ。

 

「意図的」というのは、ある意味「バカ」よりよっぽどタチが悪いのだから。

 

 

意図的に

フェアじゃない、美しくないことをしてしまったWantedly
これからどう挽回していくのか。

同じ暁子として、見届けたいと思う。

 

 

以上!