最近の新卒採用は学生がチヤホヤされすぎて「入社後のギャップ」がすごそうだ。と思ったらやっぱりそうだった。
こんな記事があった。
やっぱり。思った通りだ。
人事をやっていると、就活戦線の危うさを常に感じる。
今や新卒採用はデッドレース。
1人でも優秀な学生を採用できるように、どこの企業も必死だ。
新卒採用に関わっていない人はご存知ないと思うので
いま、新卒採用がどんなことになっているのかお伝えしたいと思う。
一部の大手企業・人気企業を除いて
内定を出した学生の半数は辞退すると言われている。
じゃあ内定たくさん出せばいいじゃん、と思うかもしれないが
レベルを下げてまでは欲しくない、という企業側の都合もあり。
結果的に、あるライン以上の学生をたくさんの企業が寄ってたかって取り合う様相になっており
そこにビジネスチャンスを見出す人材系企業が様々なイベントやサービスを提供していることもあって
リクナビやマイナビに掲載していれば学生がワンサカ応募来るという時代は、とうの昔に終わった。
あれやこれやで学生を引きつけようと企業の人事は大変だ。
最近の学生が企業に魅力を感じるポイントについて
「自己成長」
「やりがい」
等も、もちろん挙がるものの
驚くことに
「自分に興味を持ってくれた」
「自分を認めてくれた」
を理由に挙げる学生も、かなり多い。
とあるスカウトサービスを利用するにあたり
営業担当の方に「上手く活用するコツ」を聞いてみたところ、こんな答えが返ってきた。
「最初に『あなたをスカウトした理由』を、最後に『一日を通して感じたあなたの魅力』を伝えてあげると学生は志望度が高まります」
・・・・・・マ、マジか。
一事が万事こんな感じなので、
人事は事あるごとに学生を呼び出しては
自社にとってどれだけ有望な幹部候補なのかを説き、
不安があると言われれば払拭のために人事面談やリクルーター面談を設定し、
「やりたい仕事」が叶う可能性を示唆し、
インターンシップでは「企画色」の強い「自分らしさ」を発揮できる仕事を体験させる。
※なんだかね。
こうやって、蝶や花やと「おもてなし」が続くわけだが
こんな「お客様対応」も、ある日突然、終焉を迎える。
4/1である。
入社するまでは「お客様」であった内定者も
入社した瞬間「新入社員」になる。
組織の1番下に入り、仕事の基礎や社内の暗黙ルールを叩き込まれる。
「企画色」の強い仕事はなりを潜め、300件のリストを渡されてテレアポをする。
会社によっては駅に立って道行く人と名刺交換してこいと言われる。
「自分らしさ」を発揮するための仕事を新人のために準備されることはなく、
与えられた仕事の中で「自分らしさ」を見出すしかないことを知る。
ダイナミックでクリエイティブと思い込んでいた仕事のほとんどは
分割して1人1人に割り振られた際には、スーパー地道で単調な仕事なのだと知る。
選考で会ってきたキラキラしたリクルーターや人事は
大きな会社の中の、ほんの一握りの人種だったのだと知る。
「人」で決めたのに・・・
古い時代の上司は
「分からないことがあれば自分から聞いてこい」
「人の技を見て盗め」
とOJTという名の放置。
あんなに優しくしてくれた人事は
次年度の採用に奔走していて、それどころじゃないという状態。
双方がギャップを作り出している状態の中で
「こんなはずじゃなかった」とショックを受ける学生がいてもおかしくない。
企業間の新卒採用バトルがヒートアップするにつれ
学生の「入社前の期待」が大きく大きく膨らむのを見ていると
割れる寸前の風船を見ているように、危うい気持ちになるのだった。
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